「かむこと」で頭が良くなる?!かむことの秘密
こんにちは、ズボラ栄養士キャンパーのぞらりんです。
いつも食事どきに何気にやっている「かむ」という動作。
実はたくさんの恩恵を受けているらしいんです。
食コラムです。
#”歯”の役割
アシカにはなく、人間にはあるもの。それは歯です。
厳密に言うとアシカにも牙はありますが、食べたものを細かくする機能はありません。その代わり胃にある”胃石”によって食べ物を細かくすりつぶし、消化します。
対して人間にはいくつか役割の違う歯が生えていますね。
前歯は食べ物を噛み切る。
奥歯は食べ物を細かくする。
犬歯は硬いものを噛みちぎる。
人間は様々なものを食べる「雑食」なので、数種類の歯が必要になったのでしょう。
でも、人間にとっての「かむ」ことの役割は、『物を食べる』以外にも様々なところで補足的に役に立っているんです。
#実は「細かくする」だけじゃない?!『卑弥呼の歯がいいぜ』
「かむこと」の本来の役割は物を細かくすることだと言いました。
しかし人間の体はよくできていて、ひとつの動作で複数の効果が得られるようになっています。「かむこと」も例に違わず。
複数の効果は標語で覚えてみよう!頭文字をとった標語です。
『ひみこのはがいいぜ』
ひみこはあの歴史上の卑弥呼さんです。後述しますが、弥生時代は今よりもかむ回数が多く、アゴが強かったとの推測からこの標語ができました。
解説していきますね。
ひ・・・肥満防止
かむ回数が増えることで早食いを防ぐことができ、太りにくくする。
み・・・味覚発達
よくかむことで口の中に食べ物が滞在する時間が長くなり、味わうことができる。
濃い味にせず、薄味で素材の味を感じるようにすること。
こ・・・言葉の発音がはっきり
アゴを動かすとアゴ周りが鍛えられるため、発音がはっきりとする。
ボソボソと喋る人は口が動いていない。
の・・・脳の発達
アゴを動かすと顔の筋肉が動き、脳につながる血管が刺激されて酸素や栄養分を
運ぶことができる。
は・・・歯の病気予防
かむことで唾液がたくさん出て、虫歯などを防ぐことができる
が・・・ガン予防
唾液に含まれる酵素に発がん物質の作用を消す働きがある。
い(い)・・・胃腸快調
よくかんで細かくすることや唾液の消化酵素で胃が消化するのを助ける。
ぜ・・・全力投球
全力を出す際ぐっと歯を噛み締めるが、健康で丈夫な歯でないと噛み締められない。
以上8つもいいことがあります。どうですか、ちゃんとかんで食べようって思えましたか?
#時代とともに衰退するアゴと私たちにできること
近年ではスラリと細いアゴラインが綺麗だと言われ、モデルさんなんか見ても顔が小さく細い人が目立ちますね。
デトックスとか健康食とか、モデルさんはたくさんの努力をされているみたいですが、本当の意味で”健康”なのか?と思ってしまいます。
さっきの卑弥呼のときにも触れましたが、弥生時代はかむ回数が多かったと言われています。
それは食生活を見れば一目瞭然。
硬い木の実や果物、魚、穀物類などなど。調理法も今ほどたくさんなかったため、基本的な”煮る”、”焼く”、”茹でる”で済ませていた。
しかし現代になるにつれ調理法も増え、”煮込む”や”蒸す”、”加圧調理”など硬いものを柔らかくする調理法や、豆腐、パン、ハムなど様々な加工食品が増えたことで一気に咀嚼回数は減りました。
その差なんと6分の1。
その変化により立派で丈夫なアゴは用無しとなり、細く弱いアゴへと変化してきました。
その証拠に、昔は大事だった親知らず(一番奥の歯)が今では生えるスペースがなく、痛みを起こして抜いたり、生涯生えてこない場合もある。
進化の過程で変化するのは当然のこと。でも無くなっていくのは進化ではなく退化だと思います。
自分が自分にできることは筋トレのようにアゴ周りを鍛えること。アゴや歯を使えば強くなります。自分の歯を退化させないためにもかむ回数を増やして使っていきましょう。
そして、よくかむことは勉強盛りの子どもにとって大切なこと。
脳の血流が良くなると記憶力や集中力が上がることは専門家が実証済みです。
特に朝食を食べることは1発目の血流ポンプを動かすことになります。バランスよく、しかし食べ過ぎないように。
子どもの成績アップを狙うなら小さなことでもやってみるのがいいんじゃないでしょうか?
大人も健康のためによくかんで食べてね!詰まらせて窒息とかシャレにならないから!